8月7日(土)の市営での練習の時の話です。

金商陸上部の生徒さんたちは8時から駐車場でアップをしていました。

そのアップの中で、壁倒立をしたり、ブリッジをしたり、ブリッジを左右回転させたり、ブリッジから交互に脚をあげたりしていました。

「いい練習だなあ」と感心しました。

金商陸上部顧問の宮崎先生は冬場の練習として「マット運動」をひたすらしているそうです。故障も防ぐことができるようです。

 

以前、コーチ研修で、私は大阪成蹊大学女子陸上部の瀧谷先生の実技講座を受けたことがあります。

瀧谷先生は、石川県女子100mトップの中村水月さんはじめ数々の名選手を育てた方で、現在、オリンピックの女子コーチを務めておられます。

そんな方ですから、講義が楽しみだったのですが、大学生がひたすらマット運動をするのを見て、たいへん驚きました。

宮崎先生も大阪成蹊大学を訪ねたら、本当に、アップは全部マット運動で、終わったらジョグもしないで、いきなりハードルの練習をしたりする練習だったそうです。「走らない陸上部」とも言われているようです。

 

私は瀧谷先生に「こういう練習は小学生にも有効ですか?」と聞いたのですが、「もちろんですよ」という答えでした。

 

それ以来、冬のいしかわSCでの室内練習でマットを入れたり、水曜の特別練習で壁倒立をしたりしましたが、なかなか「継続して」というわけにはいきません。それで、学校の体育でマット運動をするころになると、「体育の時間、一生懸命、マット運動をしなさいよ」と言っているのですが、実際はどうなのか・・・。(この間の河川敷の練習の時に見たのですが、陸上教室の子は上手にマット運動ができる子が多いように思います)

中学、高校の部活動の中では毎日、取り入れることができるので、全国の中には毎日、熱心にやっている先生もおられます。

  

マット運動には「調整力・柔軟性・巧緻性・瞬発力などを総合的にバランスよく伸ばす」という効果があります。

心肺機能が重要な長距離は別として、それ以外の種目については、こういう体を「まんべんなく鍛える=身のこなしが自在になる」ということがとても大事と思います。とりわけ、筋力がない小学生については大事だと思います。

陸上教室の練習で、変化走やはしごラダーの時間を多くとっていますが、そういう理由からです。(昔は様々な伝承遊びの中で楽しみながら培った能力をトレーニングとして行うことの悲しさはありますが)

 

「勉強しなくても勉強ができる」という人がいますね。もちろん「全く勉強しない」ということではなく、「勉強の仕方を知っている」とか「考え方が身についている」とかそういうことだと思います。

同じように「走らなくても速くなる」ということもできるような気がします。これも「全く走らない」ということではなく、「体を自在に動かすことができれば、走力を生かすことができる」ということです。

 

そこで、何を言いたいかというと、雨でコロナでどこにも行くことができない今、「家の中で前転したり、後転したり、ブリッジしたり、逆立ちしたり、コネコネするといいですよ」ということです。フローリングの家では、ヨガマットなどを敷くといいですよ。「走るばかりが陸上の練習ではない」ということです。8月13日記